5月13日。

グアナファトから北東約400㎞にあるヒリットラ(XILITLA)という山間の町に向かった。

周囲を森林に囲まれた辺境の町に立ち寄る事にしたのは、

イギリスの詩人が造ったという｢エデンの園｣を見つけることが目的だ。

実はこの町は某ガイドブックにも載ってないためか日本人の間では知名度が低く、ロクに情報が出回っていない。

自分もグアナファトで人づてに聞かなかったら知りもしなかっただろうし、聞いた後も目的地の名前すら分からない状態だった。

しかし全部下調べがしてある旅というのも面白味がないのではないだろうか？

そう思った俺はあえてロクに調べず、情報をくれた人たちがメモ帳に記してくれた情報を元に目的地を探す事にした。

ヒリットラ周辺

周囲は深い森に囲まれている。

早速｢エデンの園｣の探索を開始。

聞いた話によるとその正体は、イギリスの詩人がエデンの園をイメージして造ったアート群らしい。

このエデンの園の凄いところは山１つは利用した広大な敷地に奇抜な建物が乱立していることで、その様はある人曰く｢森の中の美術館｣。ある人曰く｢ファッキンキャッスル｣。

正式名称は分からないが、メモによると｢クエバ(cueba)｣という単語がキーワードらしい。

ヒリットラの街に着いた俺は、キーワードを頼りに早速町中で早速聴き込みをする事にした。

クエバ知りませんかー!

ファッキンキャッスル知りませんかー!?

道行く人に片っ端から聞きまくること30分後。

俺知ってるぜ！というお爺ちゃん登場。入口まで案内してくれる事になった。

思ったよりあっさり見つかったなと拍子抜けしながらお爺ちゃんの後をついていくこと数十分後。

｢見な！ ここがクエバの入口だぜ!!｣

モ～♪

･････嘘だろ！？

おかしい。

エデンの園は日本人には馴染みはないとはいえ、一応観光地化しているはずである。

間違っても入口が牛舎というのはあり得ないと思うのだが･･･

そんな事を考えていると、ここで先ほどのお爺ちゃんは退場。

代わりにここの青年が道案内を務める事になった。

勝手にアダムと名付けた彼は、パッと見16歳ぐらい。

牛でも殺れそうな大振りのナタを片手に装備して、笑顔で振り回している。

だからおかしい。

なぜエデンの園に行くのに殺伐とした装備が必要なのだろうか？

幻獣でも出るのだろうか？ 

道案内役のアダム君

帰り道は案内してくれない。

そんなアダムに連れられて。

牛舎を突っ切り獣道を歩き倒すこと20分。

｢ほら！ここがクエバだよ！｣

ドーン！

だからおかしいって。

洞窟だ。

どう見てもエデンの園ではない。洞窟だ。

｢ここから先は一人で行ってね。バイビー✨｣

ポカンと立ち尽くす俺をよそに、アダムはとっとと一人で帰ってしまった。

･･･とりあえず入ってみるか。

入ってみると、中は以外と巨大な事に気づく。

覗きこむと穴は奥の方まで続いており、傾斜は急だが手を使えばなんとか底まで降りれないこともないらしい。

もしかしてこの洞窟を抜けた先にエデンの園が広がっているとでも言うのだろうか？

だとしたら製作者根性半端ないな。

どうやって資材搬入したんだよ･･･。

薄々覚悟をしつつ一類の望みをかけて最下層まで下りると、そこに広がっていたのは･･･

ジャジャーン

まごうことなき行き止まりだった!!

･･･うん。俺分かってた(泣)

結局穴の底から這い出てからも一人密林をさ迷い、瀕死の状態で街に戻ったのが２時間後。

その後目的地の名前が｢ラス･ポサス｣という事が判明し、タクシーで目的地に着いたのはわずか10分後の事だった。

いったいあの数時間はなんだったんだろうと今も思わずにいられない。

目的地 エデンの園事ラス･ポサス(Las Pozas)

森の中に所せましと不思議な建物が広がっている。

クエバの底から見上げた空

これはこれでいく価値ありだと思います。

後日cuevaを調べたら、洞窟という意味でした。

そら謎の洞窟連れてかれるわ。

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