スイスの道
スイスはヨーロッパの中でも飛び抜けてサイクリングを楽しみやすい国である。
その理由としてあげられるのが2つ。
サイクリストに対する献身的な配慮と、きめ細かく整備されたサイクリングロードの存在だ。
スイスでは道脇に日本よりも余裕を持った自転車道が整備されており、自転車は安心して車道を走ることが出来る。
手を上げたら車も気持ちよく道を空けてくれるあたり、スイスのドライバー達もサイクリストに気遣って運転するのが自然であるように感じられた。
また、スイスでは国中の街を繋ぐように車道とは別にサイクリングロードが整備されており、自転車でほぼ全ての街を移動できるようになっている。
要所には必ずと言っていいほど近隣の街までの詳細な地道案内が立ててあるお陰で、初心者でも地図なしでサイクリングが楽しめる程だ。
自転車だけでなく、トレッキングやマウンテンバイクなど様々なコースも整備されている
そんな自転車優遇国スイスだが、山と湖でが大半を占める過酷な国土故に時おりルートが冒険、もとい暴走することがある。
案内板に従い、中部の森を走っていた時の話。
突如やたら視界の開けたところにでたなと思った瞬間に、
遠くで銃声が鳴り、次の瞬間頭上の的に風穴が開いた
ズキューン
バギョ‼
・・・はぁ!??ΣΣΣΣ
その後おっちゃんがやって来てやたらめったら叱られたのだけど、話を聞くとどうやらサイクリングロードが射撃場の的の真下を通過するように走っていたらしい。
・・・おっちゃん、俺を叱る前に、ここに道通した国に怒鳴りこむほうが先じゃないのか?
自転車優遇国スイス
しかしこのあとも飛行機飛び交う現役飛行場の滑走路を横断させられたりと、サイクリストに優しいんだか厳しいんだかはっきりしてほしいツンデレっぷりを否応なく見せつけられることになるのだった。
今回はそんなスイスの北東部のサイクリング風景を写真でご紹介したい。
マイエンフェルトからは標高2000m近い山々の間を縫うように進んだ
北東からスイスに入ると見えるヴァレン湖
スイスではエメラルドブルーの湖に出会うことは珍しくない。
夏 + 水 = 飛び込む というのが欧州ルール。
他のヨーロッパの国の人は濁った川でも普通に泳いでいるのだけど、
スイスでは美しい湖でしか人を見かけなかった。
というか、そもそもスイスには濁った川や湖など存在しなかった。
ぜーんぶ美しく透き通ってやんの
スイスの電車は正確なダイア故か他の国より本数が多い。
数分に一本と名鉄並の頻度で列車が行き来していた。
ガードレールに鉄道のレールの切れ端を再利用
こういった工夫は気付くと面白い。
スイス北部の観光都市、ルツェルン(Luzern)
湖にかかるカペル橋が有名。
自分にとってはスイスの物価の高さを初めて実感させられた街。
ファーストフードのハンバーガーセットが1500円ってどういうことよ・・・?
ルツェルンにある、スイス交通博物館に行ってみた
ヨーロッパ最大規模のコレクションが歴史や科学と共に分かりやすく展示されており、大人も子供も丸一日楽しめる。
・・・って言うか子供向け施設なのに、あまりにもマニアックなラインナップにもっぱら大人が楽しめる。
理系、工業系、鉄オタ、はたらくくるまフェチは大歓喜間違いなし!
交通博物館の車ゾーンはとっても奇抜なデザイン
スイスはドイツ語、フランス語、イタリア語と地域によって使う言葉が違うため、一時間に何回かある解説ショーの言語は参加者のボタン連打回数で決まる。
体験アトラクション多め
体験し損ねたが、宇宙ゾーンでは無重力体験もできるらしい。
スイス2万分の1地図、「スイスアリーナ」
この先の予定ルートを見てみたら、夏場にとった写真と思われるのに見事雪で真っ白に染まっていてゾッとした。
ルツェルンからグリンデルワルトを目指しての峠越え
個人的にスイスは(ヨーロッパ全体に言えるが)観光地よりも、そこにたどり着くまでの町や風景の方が綺麗だと思う。
標高1000m地点の看板に、黄色い貝殻(スペイン巡礼)のマークを発見
・・・おるん?そんなアルプス越えてスペインの端まで歩く強者。
中部以南は傾斜が急になるため、列車は下に補助の歯車がつくラック式が目につくようになる
湖と山を越えたらまた湖
綺麗なのだけど、この国は本当に山と湖だらけだ。
泳げそうな所があったので、湖に入ってちょっと一息
わたし魅惑の・・・
人☆魚☆髭 いぇい🎵
気づいたら真横まで白鳥がやって来ていた
自分の泳ぐ姿のあまりの美しさ故に仲間と間違えられたのか、
それともあまりの醜さ故にアヒルの子と思われたのかは意見の別れるところ。
8月11日の夕暮れ
サイクリングロードの脇で休憩していると、通りがかりのサイクリングチームに一緒に走らないかと誘われる。
目的地が同じ方向だったので、せっかくだしご一緒させてもらう事にした。
誰かと一緒に走るのは、何気にこの旅初めてだ。
近くの街のおっちゃんおばちゃんで構成されているこのグループは、毎週火曜日に集まっては中距離サイクリングを楽しんでいるとのこと。
メンバーの中でもダニエラというおばちゃんは凄くこちらの事を気にかけてくれ、サドルの高さを調節してくれたり、言葉を教えてくれたり道中楽しませてくれた。
彼女曰く、ハローはドイツ語でグーテンタークではなくクリエッツィ(gluezi)と言うらしい。
試してみたら発音が上手いと誉めてくれた。
まあ、これ後日色んな所で試したけど全く通じないのだけどさ。
しかしグループで走るというのは楽しい。
お喋りしながらというのも楽しいが、先頭のベテランが道を完璧に誘導してくれるので純粋に漕ぐことに集中できる。
お陰でいつもよりスイスイ進むとともに、普段どれだけ他の事に力を割きながら運転していたのかを実感した。
グループは夕方、アルテンドルフ(Altendorf)の街の湖(Obersee)の畔にあるキャンプサイトに到着。
ここで一杯やるらしく、誘ってもらったのでご相伴に預かる事にした。
みんな頼むのはビールとスプライト。
これを1:1で割るのがスイス、オーストリア流のビールの飲み方で、「パナシィ」というらしい。味は軽めで結構好み。
ついつい3杯もいただいてしまった。
これは日本に帰ってからやってみよう。
その後旅の写真を見せたりスイスの地図を見せながらみんなと雑談。
思いっきりおどけて場を盛り上げる。
なにも持たない自分がなにか出きるとすれば、きっとこれが精一杯の恩返しだ。
彼らに予定のアルプス山脈越えのコースを話すと「君は頭がイカれている」と言われた。
大丈夫。よくよく解ってるから。
逃げれるものなら逃げ出したいが、道がそこしかないんだよなあ。
飲み後はグループとは写真を撮ってさよなら。
その後ダニエラにちょっと離れた湖の畔を教えてもらい、そこにテントを張ることにした。
最高の立地!
一人旅には一人旅の良さがあるのだけれど
誰かと一緒というのはとても心強いことなのだと、
久しぶりに感じた一時だった
改めて、お世話になったアルテンドルフのサイクリングチームの皆に感謝を。
いつか日本に遊びに行くと言っていたので、そのときは最高のもてなしで歓迎したい。
Altendorf-Radsportteam Danke!!
目的地、グリンデルワルトまであと500m!(標高が)
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