身辺整理
突然だが、自分が好きな劇団に、「身辺整理」というタイトルの劇がある。
突如事故で死んだ友人の真似をして身辺整理を始める男の話だが、
この男。
自分には不要と、思い出の品から家。果てには大切な恋人まで捨ててしまうのだ。
一見自暴自棄に見えるがその行動は、
「本当に大切なものはダンボール1つに収まるものだよ」
という友人の残した言葉が原点になっていて。
同じ境地に辿り着こうとする男と、それに振り回される周囲の人々を喜劇として描いた作品になっている。
この作品を観劇したときは、「流石に大切な物はダンボール1つじゃ収まらないだろう」と思っていたが、考えてみれば今じゃ世界中をバッグ1つで歩く「バックパッカー」。
どうやら自分の大切な物は、バッグ1つで収まるらしい。
いや、最近はそのバッグも煩わしくなってきて、余分なものを削ったらリュック1つで足りるんじゃないかと思い始めてきた。
「リュックサッカー」だ。
そのリュックの中身も考えてみれば着替えや充電器なんかの日用品なので、本当に大切なものとは言えないかもしれない。
とすると、究極な所自分はいつも腰に着けているウエストポーチだけで事足りる事になる。
「ウエストポッカー」だ。
「本当に大切なものはウエストポーチ1つに収まるものだよ」
斬新だが、セリフとしては締まらないかもしれない。
さて聞くとこによれば上には上がいるようで。
「バッグパッカー」から旅を初めて、盗難に会って「リュックサッカー」。
その後卯曲左折あり、最後には無一文の「テブラー」まで進化しながら、ラスベガスで人生をかけた大勝負。
見事帰りの飛行機代を稼ぎだし世界一周を果たした伝説の旅人がいたようだが、流石に自分はそこまでストイックになれそうにない。
それどころかこの度大切なものが1つ増えることになり、職業も変更することになった。
自転車だ。
バスや電車の旅も嫌いではないが、せっかく世界まで来たのならその広さを自分の足で体感してみたい。
そう思って自転車を購入し、暫くは「チャリダー」として世界を旅をすることにした。
スペインのサンティアゴ(Santiago)からスペイン巡礼路を逆送。
フランスのモン・サン・ミシェルまで北上して、そこからはシェンゲン協定が切れるまでの90日間、気の向くままにヨーロッパを走り回るつもりだ。
言ってみればこの旅自体、自由人として生きてきた自分に対する「身辺整理」。
人生最後で最大の、自由時間を大切に
思い残しのないように
思うがままに生き抜いてみようと思う
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