What is Your Dream?

2015年4月3日から、世界一周中の25歳♂です。
世界中の人に夢を尋ねてそれを紹介するブログができたら。そんな理想と、
そうは問屋が卸さない現実の壁に世界中で四苦八苦する様子をお届します。
人生やらかしてなんぼ!まってろ、世界!! 
※2016年3月23日に無事ゴールしました! 応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました!

世界引きこもり選手権 ドイツ代表


8月8日


ドイツとオーストリアの国境にある街、フュッセン(Fussen)までやって来た俺は、街の近郊にあるノイシュヴァンシュタイン城へと寄ることにした。



ノイシュヴァンシュタイン城とは、世界中の城の中でも屈指の知名度を誇るトップレベルの観光名所である。


ピンとこない方も、「ディ〇ニーのシンデレラ城のモデルになった城」と言えば分かっていただけるのではないだろうか。



ノイシュヴァンシュタイン城はその他多くのメルヘンな作品のお城のモデルにもされており、ともあれば 、「歩く脳内メルヘン」を自称する身としては、メルヘン仲間として訪れないわけにはいかないであろう。



そんなメルヘンからしたら迷惑極まりない仲間意識を胸に、朝早く城の麓へと向かうのであった。





フュッセンから20分程で麓に到着。早速チケット売り場を探す。



まだ時刻は朝9時半だし、これだけ早くに並んでおけば午前中には城内を見て回れるだろう。


そんな気持ちで歩いていると、チケット売り場の列が見えてきた。



で。



これチケット売り場どこ???


ずらぁー



果てしなく続く人の列。チケット売り場の建物が遠すぎて見えない。


この時点で電工掲示板には、「城内入場は14時以降になります」の表示。


・・・嘘だろ???



因みに、一応これでも朝一である。



さすが超有名観光スポット。
夏のバカンスシーズンも合わさり、観光客の数がえらいことになっている。


こうなってくるともしかしたら、自分が購入するチケットは入場が15時以降になるかもしれない。


単純に計算すれば約6時間待ち。


多分ディ○ニーランドの方がいくばか良心的だろう。


チケット売り場が見えたらやっと後半戦
建物内も蛇腹の列が続く。



そんなこんなで待つこと1時間半。やっとこさチケット購入。


でもあとどれだけ待つことやらとチケットを見ると、まさかの12:50の入場券。



あれ!?早い!Σ   でもありがたい!



電工掲示板より相当早く入場指示。


あの掲示板壊れてたのだろうかと思いつつ外に出ると、さっきまで真後ろに並んでた日本人の方が声をかけてきた。


「見てください!12:20のチケット取れましたー!」



・・・をい待てスタッフ



後ろに並んでる人の方が特に理由もないのに先に入場できる摩可不思議。



どうやら壊れていたのは電工掲示板ではなく、スタッフの常識らしい。



まあよく見ると書き入れ時なためか、スタッフは学生のバイトっぽい子が多し。


馴れない作業にてんぱってたのかな?


納得いかないが今さらどうこう言っても仕方ないので、入場時間まで城周辺をふらつく事にした。




城の麓にあるアルプ湖
その綺麗な水と景色に、自然と白鳥や待ち時間をもて余した人たちが集まってくる。



チケット売り場の側にあるホーエンシュヴァンガウ城
ノイシュヴァンシュタイン城を建築したルードヴィヒ2世は、ここで幼少期を過ごした。


これ自体充分見ごたえのある城にも関わらず、同じ敷地内に圧倒的知名度を誇るノイシュヴァンシュタイン城があるせいでどうしてもおまけ扱いをうける可愛そうな城。




城は丘の上にあるので始終坂道
しんどい人にはバスや馬車がお勧め。



有名な撮影スポットであるマリエン橋は、残念ながら改修中




ノイシュヴァンシュタイン城は丘の上にあるうえに、回りは木々が生い茂っているので全体を眺めることは難しい。



なのでこういった写真を撮りたい場合は・・・





あの正面の絶壁をクライミングするか、宙に浮く必要がある。


要するに一般人には無理。




頂上からは箱庭のような景色が広がる




さて、このノイシュヴァンシュタイン城。


童話の城のモデルになったことは有名だが、実はこの城自体も空想の産物であることは意外と知られていない。



この城を建築したバイエルン王 ルードヴィヒ2世は、騎士物語や神話に憧れて育ち、音楽と建築に多額の借金をつぎ込んだ「狂王」「メルヘン王」として有名であった。


そんな彼が自分のメルヘンをこの世に具現化しようと趣味全開で作り上げたのが、このノイシュヴァンシュタイン城なのである。



趣味のための城なので、デザインは建築家ではなく画家が作成。


通常城に必要な墓地や防衛施設等は無く、人工の洞窟や一面に物語のイラストが描かれた部屋、巨大ダンスホールなど普通の城ではあり得ない不思議な世界が城内には広がっている。



城の内側から



残念ながら城内は撮影禁止。



因みにこの城の制作者、ルードヴィヒ2世には後日談がある。



晩年、戦争に負けたり弟が錯乱したりと心労の重なった彼は、遂に現実がイヤになり、首都ミュンヘンを離れノイシュヴァンシュタイン城に引きこもる。


そのあと彼は自分の作った夢の城で、昼夜逆転の生活を送り、ひとりぼっちの食事を好み、エア友達との会話を楽しむようになったりと、さらに自分の脳内世界へ引きこもるようになっていった。


この生活は、「流石にこのままではヤバい」と思った部下たちに無理矢理城内から引っ張り出されるまで、102日間の長きにわたり続くことになる。



彼の引きこもり度については、期間こそ昨今においてさほどではないにせよ、


「自分の引きこもる城を自分で建築した点」
「城の建築に国を傾ける勢いで借金をつぎ込んだ点」
「最後は国の政治をほっぽりだして引きこもった点」


において、一般の引きこもりとはスケールが一線を画していると言えるだろう。


まさに「ドイツの引きこもり代表」と言っても過言ではないと思う。



最近エントリーしたディ○ニー代表の「ア○と雪と女王」のエ○サも、


「自力で引きこもり先を建築した点」
「国政を突如ほっぽりだした点」


においてルードヴィヒに勝るとも劣らない好成績を残したが、
残念ながら、


「現実世界に戻るのが嫌で、城から連れ出された翌日にはこの世から旅立った点」


において、彼の方が引きこもりとして一枚上手であると言わざるおえないだろう。


※ルードヴィヒ2世は城から連れ出された翌日、散歩中に付き添いの医師とともに変死した。



もしかしたら、今後も彼の記録は塗り替えられる事はないのかもしれないな。



そんなアホなことを思いながら城の中を歩いていると、ふと玉座に一人ぼっちの王さまがポツンと座っているのが思い浮かんで、少しだけ哀しくなるのだった。



メルヘンな引きこもり王 ルードヴィヒ2世。


彼が自分の夢ために建てたノイシュヴァン城は、時を得て今日も世界中の人々に夢と感動を与えている。






前夜は大草原を貸しきってキャンプ!
気分はまさにアルプスの少女。



行く手には、遂にアルプス山脈が見えてきた




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